どうも、丸田です。
世の中には星の数ほどの物語があります。
スターウォーズ、ロッキー、インヴィクタス、アイアンマン、死霊館、貞子、カメラを止めるな!、ワンピース、キングダム、プラダを着た悪魔…。
映画やアニメ、ドラマ、インヴィクタス、漫画、小説。また他にも昔話、神話、おとぎ話、オカルトに至るまで、名作からカオスなものまで笑
いろいろありますよね。
実はすべての作品には共通しているとある法則があることをご存知でしょうか?
その法則を「神話の法則」といいます。
神話の法則はいわば、すべての物語の基礎とされている、まさに物語のテンプレートなのです。
あなたがこれまで感動した作品には、実はこの法則が用いられているのですね。
ではそんな神話の法則とは具体的にどのような内容なのでしょうか?
この記事では、書籍「神話の法則」を参考に、神話の法則とは何か?その流れを解説していきます。
参考書籍はこちらです。
神話の法則とは?
神話の法則とは、クリストファー・ボグラーという人物が提唱した、ヒットする物語構築の理論です。
このクリストファー・ボグラーはハリウッドで大きな影響力を持つストーリー・コンサルタントの第一人者というすごい人物なのですね。
厳密にいえば、神話研究家のジョーゼフ・キャンベルが提唱した「ヒーローズ・ジャーニー」を、さらに現代ストーリーテリングと組み合わせて、ブラッシュアップさせたのが「神話の法則」です。
神話の法則は、主人公が冒険に出発し、試練を乗り越え、成長して帰還するという流れの法則です。
「スター・ウォーズ」や「ライオン・キング」、「マトリックス」、「ハリーポッター」、「ONE PIECE」「NARUTO」、「キングダム」など数多くの大ヒット作品は、こぞって神話の法則を取り入れているのですね。
クリストファー・ボグラーは「物理や化学が 自然界の原則であるように、ストーリーの美しい構成の発見であり、また人生あるいはストーリーテリングの基本原則を表現したものである」と述べるほど、ストーリーテリングがすべての作品の根幹であることを語っております。
またこの神話の法則は、物語だけではなく、僕らが歩む人生の旅路にも非常に似ているといえます。
神話の法則において物語の構成は、始まり、試練、終わりの三部構成でできていると言われています。

歌舞伎における「序・破・急」に似ている気がします。
神話の法則3つの構成
ヒーローズジャーニーの基本形は3幕構成でできています。
- 主人公の旅立ち
- 試練・通過儀礼
- 旅の終わり
【第1幕】旅の始まり


ごく普通に生活している主人公。しかしある日、とあるキッカケから旅が始まります。
このキッカケとは、小さなことから大きなことまでありまして。
例えば、素敵な人と出会う、何か出来事が起こった、大切な人を亡くした、悪に襲われたなどの非日常的事件がトリガーとなります。
この出来事がきっかけで主人公は冒険へ旅立つ決意をします。
道中、葛藤や不安がありながらも、師匠やメンターが現れ、なんとか障害を乗り越えることで未知の世界へと踏み出します。
この流れが第1幕です。
【第2幕】試練・通過儀礼


旅を始めた主人公に訪れるのは、出会い、仲間、試練、それらを通しての精神的成長です。
特に仲間が増えることで一気に世界が広がりますが、一方で悪も現れます。
そして、いろんな場面でさまざまな試練に立ち向かいながら旅を進める形となります。
そして少しずつ最終ゴールへと近づいていくのですね。
【第3幕】旅の終わり


最後はゴールへ達成。平和な日常へと流れが続きます。
主人公は最終ゴール到達を通じて得た知識や経験、精神的成長を糧に、次なる新しい日々を過ごしていくのですね。
以上が神話の法則で述べられる物語3幕でした。
ではここからは、主人公がどのような道を辿るのか?具体的に見ていきましょう。
ヒーローズジャーニー
主人公がたどる旅の道筋を「ヒーローズジャーニー」と言います。
ヒーローズジャーニーには、具体的に12ステップあります。
- 日常の世界
- 冒険への誘い
- 冒険への拒絶
- 賢者との出会い
- 第一関門突破
- 試練、仲間、敵対者
- 最も危険な場所への接近
- 最大の試練
- 報酬
- 帰路
- 復活
- 帰還
ヒーローズジャーニーはあくまで、テンプレートの一つです。絶対にこの法則に従わなきゃ!というわけではありません。
【ステージ1】日常の世界


物語の最初のシーン。
主人公はいたって平凡な生活を送っております。
いくつか例を出します。
ONE PIECEなら少年のルフィ。全然強くない状態です。ただのクソガキ。
NARUTOなら主人公ナルトはイタズラ好きな忍者。
ブリーチなら霊感が強すぎる高校生。(霊感が強いのは生まれつきなので、主人公からすれば普通)
恋愛ジャンルなら、「花より男子」なら、冴えなく、しかも貧乏な主人公、牧野つくしです。
物語のはじめは、主人公は基本的に平凡、あるいは鬱屈した生活を送っているケースが多いですね。
しかし、ひょんなキッカケから物語は進展していきます。
【ステージ2】冒険への誘い


冒険へのキッカケは数多くあります。
例えば、とある出来事が起こったり、事件が起こったり、あるいは素敵な人との出会いがあったり。
他にも町がいきなり野蛮な連中から襲撃されるなんてこともあります。
これらの出来事によって、主人公は冒険へ出るキッカケが生まれるのです。
【ステージ3】冒険への拒絶


とはいえ、いきなり「えいやー!」と一歩踏み出せるとは限りません。
主人公が新しい世界へ踏み出すことを躊躇してしまうケースもあります。
ただし、冒険への拒絶はストーリーによってはあったりなかったりします。
これは主人公の性格にも依存するかなと感じます。
例えばマンガのONE PIECEの主人公ルフィは、勇敢に山賊に立ち向かっています。
ナルトもミズキという裏切りの忍者に勇敢に立ち向かっています。
一方、ブリーチは霊媒師的な役割の引き受けを最初は拒否しています。(※厳密には、死神代行という仕事)
引っ込み思案、あるいは積極性がない、逆に責任感が強すぎる主人公は足踏みする傾向にあると感じます。
【ステージ4】賢者との出会い


主人公はピンチの状態でとある人と出会います。
この人が賢者、すなわちメンターと呼ばれる人となります。
賢者の役割は、主人公を精神的にも技術的にも成長させてくれる師匠です。
この賢者は主人公の旅の途中で何度も知恵や助言をくれます。
バトルものであれば、修行をしてくれたり、恋愛ならモテるアドバイスをしてくれる人物が賢者にあたります。
また主人公が成長していくにつれて、いろんな賢者に出会っていきますし、レベルが上がれば上がるほどに、さらにレベルの高い賢者が現れ始めることもあります。
特に一番最初に現れる賢者は、主人公の新しい世界へ導くキーパーソンとなります。
この賢者の助けで主人公は成長し、新しい世界へ踏み出す決意ができるのです。
【ステージ5】第一関門突破


主人公にとって一番最初の試練が訪れます。これを乗り越えることで主人公は新しい世界へ一方踏み出せるようになるのです。
第一関門を突破するというのは、物語の重要な転換点となります。
第一関門とは、具体的には襲ってきた敵を主人公が自力で倒したり、門番を倒したり、ちょっとした力試し、テストにクリアするなどがあります。
この第一関門をクリアして、いよいよ冒険の幕が開きます。
【ステージ6】試練、仲間、敵対者


主人公が旅路を歩み始める時に現れるのが仲間です。
主人公の弱点やサポートをしてくれるような仲間と出会うことができるのですね。
さらには、敵も現れ、さまざまな試練が訪れます。
この仲間、敵、試練によって主人公の視野が広がり、何をすべきか?使命感がより強く認識されていきます。
【ステージ7】最も危険な場所への接近


主人公がいろんな旅をしていき、いろんな危険を潜っていきますが、やがては最も危険とされる場所へ突入していきます。
それは、物語における最後の敵のアジトに近づくようなイメージです。
物語はクライマックスを迎えていきます。
主人公がこれまで培ったスキルや仲間との絆を駆使して、試練に立ち向かいます。
【ステージ8】最大の試練


いよいよ当初のゴールを果たす瞬間です。
バトル系なら最後の敵との戦いになったり、恋愛物語であれば、ずっと好きだった人へ告白するシーンだったりするわけですね。
このシーンはかなり手に汗握る、物語の一番のピークとなります。
【ステージ9】報酬


一番の試練を超えた先にある、報酬を手にいれるポイントです。
例えば基本的にはラスボスを倒して、最強の武器をゲットしたり、好きな人と結ばれるなど、当初目的としていた報酬を手にいれる瞬間となります。
【ステージ10】帰路


主人公が最大の試練を乗り越えたのちに、冒険から日常の世界へ戻る段階です。
ただ、この戻る段階でも新たな試練が訪れるケースもあります。
例えば、宝を手に入れた!と思いきや、神殿が崩れ始めて命からがら逃げる!
みたいなシーンですね。
要するにラスボス倒しても安心できない、みたいな状況ですね。
物語によっては、ないケースもあります。
【ステージ11】復活


主人公が物語のクライマックスで再び大きな試練に直面した場合、自分のポテンシャルを最大に発揮することになります。
能力が覚醒するケースが多いですが、内面が覚醒して能力も発揮されるというイメージです。
つまりは人格も洗練されていくということです。
パワーも強い!人間性もよし!
これぞ!真の勇者!
【ステージ12】帰還


最後は主人公が日常に戻るシーンです。
冒険の報酬を街の人たちと分かち合ったりして、各々のハッピーエンドを迎えるのです。
神話の法則のまとめ
今回は神話の法則をご紹介しました。
感動する物語の流れは、
- 主人公の旅立ち
- 試練・通過儀礼
- 旅の終わり
そして、主人公のステージは
- 日常の世界
- 冒険への誘い
- 冒険への拒絶
- 賢者との出会い
- 第一関門突破
- 試練、仲間、敵対者
- 最も危険な場所への接近
- 最大の試練
- 報酬
- 帰路
- 復活
- 帰還
とステップを踏んでいくのですね。
この流れを知って、あらゆる映画やドラマ、アニメなどの物語を見るとまた一段と楽しめるのではないでしょうか。
ぜひ参考にしてみてください。
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